本記事では、インフラ構築を外注するメリット・デメリット、具体的なサービス範囲、信頼できる外注先を選ぶためのポイントを分かりやすく解説します。
AWSやMicrosoftAzureといったクラウドサービスへの対応や、24時間365日の運用監視体制など、貴社のビジネス成長を加速させるためのインフラ構築戦略を見つける参考になればと思います。
目次 [非表示]
1.インフラ構築とは?その重要性と基本
そもそもインフラ構築とは、何なのか解説します。

ITインフラとは、ハードウェア(サーバー、ストレージ、パソコン)、ソフトウェア(OS、ミドルウェア)、ネットワークといった、システムを支える基盤全体を指します。ビジネスの安定稼働と成長を実現するために、これらの要素を適切に設計・構築する必要があります。
インフラ構築は、要件定義~設計~構築~テスト~運用保守まで一連の流れで行われます。システム開発において、インフラ構築は土台となる部分であり、その品質がシステム全体のパフォーマンスや安定性に直結すると言っても過言ではないでしょう。例えば、ウェブサイトの閲覧速度、アプリケーションの応答性、データの安全な保管、予期せぬ障害発生時の復旧能力など、ユーザー体験のあらゆる側面に影響を与えます。
インフラ構築のプロセスは以下のような流れで進みます。
< Phase 1 >
まずビジネス要件やシステム要件を詳細に定義することから始まります。どのような機能が必要か、どれくらいのアクセスが見込まれるか、どのようなセキュリティレベルが求められるかなどを明確にします。
< Phase 2 >
次に、これらの要件に基づき、最適なハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク構成を設計します。拡張性、可用性、パフォーマンス、セキュリティ、コスト効率などを考慮しながら、最適なソリューションを検討します。
< Phase 3 >
設計が完了したら、実際の構築作業に入ります。サーバーの設置・設定、OSやミドルウェアのインストール、ネットワーク設定、セキュリティ設定など、多岐にわたる作業を実施します。
< Phase 4 >
構築後には、システムが設計通りに動作するか、要件を満たしているかを確認するためのテストを行います。単体テスト、結合テスト、システムテスト、受け入れテストなど、段階的にテストを実施し、問題がないことを確認します。
< Phase 5 >
最後に、構築されたシステムを本番環境に移行し、運用保守を開始します。システムの監視、パフォーマンスチューニング、セキュリティパッチの適用、障害発生時の対応など、継続的な管理が必要となります。
インフラ構築は、一度完了すれば終わりではなく、ビジネスの変化や技術の進化に合わせて、継続的に見直しと改善が必要なプロセスです。
2.インフラ構築を外注するメリット・デメリット
外注することでのメリットとデメリットを見てみましょう。
2-1.メリット:コスト削減とリソース確保
インフラ構築を外注する最大のメリットは、社内のリソースをコア業務に集中させられる点です。
専門知識を持つ外部パートナーに任せることで、自社で24時間365日の運用保守体制を組むコストを試算する手間も省け、一定の品質を確保できます。さらに、保守・運用などのフォローアップまで任せられるケースも多いのが魅力です。
自社でインフラ構築を行う場合、専門的な知識を持つ人材の採用や育成、最新技術のキャッチアップに多大な時間とコストがかかります。また、プロジェクトのピーク時に一時的に人員を確保する必要が生じることもあり、リソースの確保が困難な場合があります。外注することで、これらの課題を解決できます。
経験豊富な外部ベンダーは、効率的かつ高品質なインフラ構築を実行するノウハウを持っています。プロジェクトの遅延リスクを低減し、ビジネスのスピードを加速させることが可能になります。
インフラ構築だけでなく、その後の運用・保守までを委託できるサービスも多く存在します。システム障害発生時の迅速な対応、定期的なメンテナンス、セキュリティ対策など、継続的な運用管理に関する負担を大幅に軽減できます。
これにより、社内リソースを、より付加価値の高い業務や競争力の源泉となるコアビジネスに集中させることができるようになります。
クラウド環境への移行や最新の仮想化技術の導入など、専門的な知識が必要な分野においても、外部ベンダーの専門性を活用することで、より効果的かつ安全にプロジェクトを進めることができます。結果として、IT投資対効果(ROI)の向上にも繋がるのではないでしょうか?
クラウド環境への移行は、マイグレーションとも呼ばれます。マイグレーションの詳細は、「マイグレーションとは?概要や手法、成功する秘訣を解説」の記事を併せてご参照ください。
2-2.デメリット:ノウハウ蓄積と情報漏洩リスク
一方で、外注することでインフラ構築のノウハウが社内に蓄積されない、情報漏洩のリスクがゼロではないといったデメリットも存在します。
これらのリスクを理解し、信頼できるベンダー選定と契約内容の確認は必ずしましょう。
社内にノウハウが蓄積されないという点は、将来的に自社でインフラを管理・運用したい、改善したいと考えた場合に、大きな障壁となる可能性があります。外注に依存しすぎることで、組織としてのITリテラシーや対応能力が低下する懸念も否めません。
情報漏洩のリスクという点は、インフラ構築の過程で機密性の高い情報や顧客データにアクセスする機会があるため、慎重な対策が求められます。ベンダー側のセキュリティ体制が十分でない場合、サイバー攻撃の標的となったり、内部不正によって情報が流出したりする危険性があります。企業の信用失墜や法的な責任問題に発展する可能性もあります。
これらのデメリットに対処するためには、信頼できるベンダーを慎重に選定しましょう。過去の実績、セキュリティ対策、従業員の教育体制などを確認し、自社のセキュリティポリシーに合致するベンダーを選びましょう。また、契約内容においては、秘密保持義務、情報管理体制、セキュリティインシデント発生時の対応策などを明確に定めるようにしましょう。
社内での知識共有や一部の業務を内製化するなど、外注とのバランスを取りながら、自社のIT能力を維持・向上させるための施策も有効な手段です。
3.外注できるインフラ構築のサービス範囲
どこまでを外注にお願いできるのか、3章では解説していきます。
3-1.クラウド導入・構築・運用をまるっとお任せ
インフラ構築を外注する場合、AWSやMicrosoft Azureといったクラウド環境への移行・構築・運用を依頼できます。
具体的には、AWS運用監視、Microsoft Azure導入・運用監視といったサービスが含まれます。また、システム運用設計書の作成支援やサーバー障害への対処法に関するコンサルティングもサービスとしてある会社もあります。
クラウドサービスは、その柔軟性、拡張性、コスト効率の高さから多くの企業で導入が進んでいます。しかし、自社だけで最適なクラウド環境を設計し、構築・運用することは、専門的な知識と経験を要します。外部ベンダーに依頼することで、これらの専門知識を活用し、自社のビジネスニーズに合致したクラウド環境を効率的に構築できます。
例えば、AWSへの移行を検討している場合、ベンダーは、現状のオンプレミス環境の分析から移行計画の策定、実際のデータ移行、アプリケーションの動作検証、移行後の運用・監視体制の構築まで一連のプロセスをサポートしてくれます。
Microsoft Azureにおいても同様に、Azureの各サービス(仮想マシン、データベース、ストレージ、ネットワークなど)を組み合わせた最適なアーキテクチャ設計、デプロイメント、継続的な運用管理までを委託することが可能です。
さらに、クラウド環境の最適化に関するコンサルティングも提供されることがあります。例えば、コスト削減のためのリソース最適化、パフォーマンス向上のためのチューニング、セキュリティ強化のための設定見直しなど、専門家ならではの視点からのアドバイスを受けることができます。
システム運用設計書の作成支援もサービスの一つとしてあるケースが多いです。運用手順、障害対応フロー、監視項目などをまとめた設計書は、安定したシステム運用に不可欠ですが、その作成には専門的な知識が必要です。ベンダーに依頼することで、網羅的で実用的な運用設計書を作成し、運用効率の向上を図ることができます。
サーバー障害への対処法に関するコンサルティングでは、過去の事例や最新の知見に基づいた具体的なアドバイスを受けることができ、インシデント発生時の初動対応や復旧作業の迅速化に繋がるのではないでしょうか?
3-2.24時間365日の運用監視と保守体制
多くの委託先では、「24/365リモート運用監視・保守」サービスを提供しており、システム障害発生時の迅速な対応や日々の安定稼働をサポートします。チケット管理システムの導入支援など、運用業務の効率化も期待できます。
システムは、ビジネスの基盤であるため、いつ障害が発生するか予測できません。特に、ECサイトやオンラインサービスなど、24時間365日稼働が求められるシステムにおいては、障害発生時の影響は大きくなりがちです。夜間や休日であっても、迅速かつ的確な対応が求められます。
外部ベンダーが提供する24時間365日の運用監視・保守サービスを利用することで、専門のオペレーターが常時システムの状態を監視し、異常を検知した際には、即座に一次対応を行います。これにより、障害の早期発見と被害の拡大防止に繋がります。
障害発生時には、原因究明から復旧作業までをベンダーが担当し、自社担当者の負担を軽減することができます。また、定例的なメンテナンス作業やパッチ適用なども、計画的に実施されるため、システムを常に最新かつ安全な状態に保つことができます。
その他、運用業務の効率化を支援するサービスも提供されています。例えば、チケット管理システムの導入支援は、障害報告や作業依頼を一元管理し、担当者への割り当て、進捗管理、対応履歴の記録などを効率化します。属人化しがちな運用業務を標準化し、チーム全体の生産性向上に繋がるでしょう。
インシデント発生時のエスカレーションフローや復旧目標時間(SLA)なども事前に定義されており、透明性の高い運用が期待できます。社内関係者への報告や状況把握もスムーズに行うことができます。
運用保守の詳細については、「システム・アプリの運用保守とは?概要と外部委託をおすすめする理由」の記事をご参照ください。
4.信頼できるインフラ構築の外注先選びのポイント
次に、外注先を選ぶときのポイントを紹介します。
4-1.実績と専門性を重視
インフラ構築の実績が豊富な開発会社を選ぶことが重要です。
インフラ構築は、プロジェクトの成否を左右する重要な工程です。そのため、依頼するベンダーの選定は慎重に行う必要があります。
まず、過去のプロジェクト実績を確認することが不可欠です。特に、自社のビジネスモデルや抱えている課題に近い案件を手がけた経験があるかどうかが重要となります。例えば、ECサイトのインフラ構築を依頼する場合、ECサイトの構築・運用実績が豊富なベンダーを選ぶことで、商材の特性やユーザーの行動パターンを理解した上での、最適なインフラ設計が期待できます。
また、特定のクラウドプラットフォーム(AWS、Azure、GCPなど)に強みを持つベンダーや特定の技術(コンテナ技術、IaCなど)に精通したベンダーを選ぶことも、プロジェクトの成功率を高める要因となります。
ベンダーが保有する専門人材の質も重要な判断基準です。セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃からシステムを守るための高度な知識と経験を持っています。クラウドエンジニアは、各クラウドプラットフォームの特性を理解し、最適な環境を設計・構築する能力に長けています。これらの専門家が在籍しているかを確認することで、技術的な信頼性を確保できます。
自社のニーズに合致するベンダーをリストアップし、詳細なヒアリングを通じて、技術力、実績、コミュニケーション能力などを総合的に評価することが重要でしょう。
4-2.コスト削減提案と充実したアフターサービス
コスト削減の提案があるか、ITインフラ構築後の運用支援が充実しているかどうかも重要な選定基準です。
依頼内容に迷っている場合は、課題の整理からサポートしてくれる会社に相談するのも良いでしょう。インフラ構築には、初期投資だけでなく、運用・保守にかかる継続的なコストも発生します。そのため、ベンダーがコスト削減に向けた具体的な提案をしてもらうと良いでしょう。例えば、リソースの最適化、不要なサービスの停止、よりコスト効率の高い技術の導入提案など、費用対効果を考慮した提案をしてくれるベンダーは信頼性が増しそうです。
また、インフラ構築はプロジェクトが完了すれば終わりではなく、むしろそこからが本格的な運用・保守の始まりです。構築後のシステムが安定稼働するためには、継続的な監視、メンテナンス、必要に応じた改善が必要です。そのため、ベンダーが提供するアフターサービスの内容やその充実度を確認することは重要です。
運用・保守としてこんなサービスが挙げられます。
- 障害発生時の対応体制(初動対応時間、復旧目標時間など)
- 定期的なメンテナンスの内容
- セキュリティアップデートの提供
- パフォーマンスチューニングのサポート
- 将来的なシステム拡張や変更への対応力 など
これらのサポート体制が充実しているベンダーを選ぶことで、長期的に安心してシステムを運用していくことができます。
自社でどのようなインフラが必要なのか、どのような課題を抱えているのかが明確でない場合は、まずは課題の整理や要件定義の段階からサポートしてくれるベンダーに相談しましょう。経験豊富なベンダーは、ヒアリングを通じて潜在的な課題を発見し、実現可能な解決策を提案してくれます。
的外れなシステム投資を防ぎ、ビジネス目標達成に貢献する最適なインフラを構築できるようになるのではないでしょうか。最終的には、技術力や実績だけでなく、コミュニケーションの円滑さや長期的なパートナーシップを築けるかどうかも、ベンダー選定の重要な要素となります。
5.インフラ構築を外注すべき企業の特徴
最後に、こんなケースであれば外注を検討したほうが良いという企業の特徴を解説します。
5-1.専任のインフラエンジニアがいない
システムはあるものの、インフラを担当できるエンジニアが社内にいない場合、障害対応やセキュリティ対策が属人化するリスクがあります。
専門知識を持つ外部パートナーを活用することで、安定した運用体制を構築しやすくなります。
5-2.クラウド移行を検討している
オンプレミス環境からAWSやMicrosoft Azureへの移行には、専門的な知識と経験が必要です。
設計や移行手順を誤ると、コスト増加やパフォーマンス低下につながる可能性があります。そのため、クラウド導入実績のあるパートナーへ相談する企業も少なくありません。
5-3.システム運用の負担を減らしたい
システムが増えるにつれて、
- 監視
- メンテナンス
- 障害対応
- セキュリティ対策
などの運用業務も増加します。インフラ構築から運用保守まで委託することで、社内リソースを本来注力すべき業務へ集中できるようになります。
5-4.事業拡大に合わせてシステムを拡張したい
サービス利用者の増加や新規事業の立ち上げに伴い、インフラにも拡張性が求められます。将来的なスケールを見据えた設計ができる外部パートナーを活用することで、変化に強いシステム基盤を構築しやすくなります。
インフラ構築・運用支援ならICDへご相談ください
AWSやMicrosoft Azureなどのクラウド環境構築から運用保守まで、インフラに関する課題は企業によって異なります。
このようなお悩みはありませんか?
- インフラ設計や構築を任せたい
- クラウド環境へ移行したい
- 運用保守の負担を減らしたい
- 監視体制を見直したい
- システムの安定性やセキュリティを強化したい
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